妖怪道五十三次 戸塚
やのまんから発売された、妖怪道五十三次の戸塚を紹介。
東海道五十三次に、水木しげる先生のキャラクターが入り込んだ作品を、立体化したもの。
旅の途中で立ち寄ったお茶屋さん「ばけや」。
シンプルながら雰囲気バッチリのお茶屋さん。鬼太郎たちが休憩する店なだけあってか、女中さんもどこか狐っぽい。
大禿溝中 化物道中 武良溝の木札。
このシリーズは、鬼太郎たちの彩色が素晴らしい。汚しには手が込んでいる一方、リアルすぎない、どこか原作の絵を思わせる淡い色使いが魅力。
おきまりの茶碗風呂で気持ちよさそうな親父さん。鬼太郎の目はちゃんと親父さんの方を向いていて、これからどうするか相談しているかのよう。
古き良き日本の面影を巡る旅。鬼太郎も楽しそう。旅装束も、なかなか似合ってる。
エイリアン ゼノモーフ
NECAのエイリアンシリーズが手に入った。特に馴染み深い、ゼノモーフを今回はご紹介。
マクファと並んでアメトイ・フィギュアの潮流になり続けたNECA。今じゃあマクファをしのいで、エイリアンシリーズを提供するくらいにまでなった。
ギーガーの絵からそのまま抜け出て来たかのような、超絶ディテール。
顎の後ろにパイプ状のものが繋がっていたり、口元の作り込みがすごい。しかも可動に支障をきたさない。感動。
インナーマウスもばっちり。さすがに引き出せはしないけど。
尻尾はペンダブル。かなりの長さがある。可動もそこそこするけど、塗料で引っ付いてしまっているところも(涙)ばきってやりそうで、あんまり動かせない。
まぁでも。じゅうぶんっすよ。尻尾を浮かせたままで立たせられる。バランスがかなり良い。
一作目の襲うシーンをイメージして。
機械と生命の性的な融合。その神々しさ、禍々しさ。こいつはやばい!
さらばウルトラマンーーもう1つの結末
タイムスリップグリコのオマケから。この当時の食玩のクオリティは凄まじかった。ありとあらゆるものが造形化されて、しかもそれが超手頃な価格で手に入った。ほんとうに、最高の時代だったと思う。
最後の力を振り絞って放ったスペシウム光線が、ゼットンに命中してウルトラマンが勝利していたら…というif設定を造形化。
スペシウム電磁波(勝手に命名)を迸らせながら、スペシウム光線を放つウルトラマン。反動に耐えるポーズが良い感じ。
あまりの凄まじさに体が後退し、地面がえぐれているようだ。
光線を打ち込まれたゼットン。内部から爆発する一瞬を見事に造形化。
単体でもいいけど、やっぱりウルトラマンと絡めた方が飾りやすい。
輝かしき食玩ブームの黄金時代。少年の心をくすぐるあの日々が、また帰っては来ないものか……
デアデビル ザ マン ウィズアウト フィアー
ーーデアデビル。その名が嫌いだった。相手の喉に突き返してやりたかった。
今では、それが誇らしい。ーー
以前は"呪い"でしかなかった何かが、成長とともに自身のアイデンティティになるという展開が、個人的にはグッと来る。
恐れを知らぬ男、盲目のクライムファイター・デアデビルのオリジンを、アメコミ界最大の影響力を持つフランク・ミラーが描き出す。ミラーのデアデビル作品といえば、空前絶後の名作『ボーンアゲイン』があるけれど、本作も渋さと外連味に引けは取らない。
オリジンということで、主人公マット・マードックが視力と引き換えにレーダーセンスを手に入れた少年時代から、デアデビルとしてデビューするまでを描く。あの真紅のコスチュームは最後の最後まで登場せず、写真にあるような、とてもコスチュームとは呼べないような黒い服で自警活動。これが何とも言えずリアル。
決して派手にはならない。なのにこのオリジン、ほんとに面白い。人物描写がとても丁寧で、開始早々このマット・マードックというキャラクターがほっとけなくなる。どこにでもいる少年のようで、こいつ本当に"向こう見ず"。衝動で動いて失敗もちらほら。師匠にはそれで見限られてしまう。
それでもたくさんの人との出会いを経て、少しずつ大人に、そしてヒーローになっていく。後半の展開がとにかくアガる。鍛えに鍛えたレーダーセンス、それをフルに使って悪人を追いかける。一人の少女を守るため、あらゆる手を使って暴れに暴れるマット。その姿にすでに、"デアデビル"の影を感じることができる。
全体を通して外連味があって、ここぞというところで気持ちをグッと引き上げる。その極致がクライマックス。いよいよマットがデアデビルとして"再誕"するシークエンス、あれは泣けた。不遇にまみれた忘れられない少年時代、逃げ出したいと思っていたあの時間と場所に心が帰ったその瞬間、すべてが変わり始めるーー事前にマットの人生をしっかり描いているから、彼がまた歩き出すそのエンディングに、もう何とも言えない清々しさを感じることができる。
デアデビルという、良くも悪くも地味な、人間臭いヒーローだからこそ描ける物語。『ウォッチメン』を生み出したアラン・ムーアはこんなこと言ってたらしい。
ヒーローってのはスーパーパワーがあるとか、コスチュームを着てるってことじゃない。
自分の意思でもって世界を良くしようと戦う人々のことを言うんだ。
フランク・ミラーも本作でこのように言う。
自分にできることを精一杯やった後、彼はヒーローと呼ばれる。
最高のライター2人が共通して描くヒーローの姿、信念のためボロボロになっても戦い続ける"恐れを知らぬ男"、デアデビル。いかにして彼は生まれたのか。心にジンと来るドラマに喝采。『ボーンアゲイン』と合わせて、男泣き必須の傑作!